摂食行動をコントロールし体重を増減させるという実験は、おもに動物を用いておこなわれてきました。
体重を増減させたときに体内の代謝機能がどう変化するか、という疑問に関して、ヒトを被験者にしておこなわれた厳密な研究はほとんどありません。
しかし、1995年、ロックフェラー大学の研究グループが、それまでラットでしかおこなわれていなかった実験をヒトでおこない、その結果をアメリカの臨床医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に報告しました。
その研究から、セットポイント説を支持するデータが明らかとなったのです。
動物実験のデータから得られたセットポイント説がヒトの場合にも正しいとすると、太った人とダイエットした人とを比較したとき、その体重を増減させた場合の両者の代謝メカニズム自体には差がないと考えられます。
太った人も痩せた人も、それぞれのセットポイントの体重がその個体にとっての正常体重であり、それを維持するために食欲がコントロールされ、代謝調節がおこなわれるからです。
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